我が国では高齢化問題が叫ばれるようになって久しい。2025年には人口の約半分、10人に4人が高齢者の時代が到来し、介護保険給付が20兆円にものぼると予測されている。
多くの産業は衰退をする恐れがある中で介護ビジネスはこれから需要が増える右肩上がりの業界だ。需要増加を見込んで介護ビジネスに新規参入する企業も少なくはない。ただ、起業すれば誰でも成功が保証されているというわけではない。介護の現状と将来像を把握することが必要だ。
介護業界の現状だが現状の社会保障制度では医療と同じく重要な役割を担っている一方で、日本社会の根幹を揺るがしかねない可能性を秘めている。なぜなら高齢化に伴う労働人口減少にともなって、介護にかけられるヒト、モノ、カネがすべて不足してしまうからだ。介護ビジネスの市場規模は拡大し続ける一方で、介護保険制度の枠組みだけでは資金不足が起こってしまう。
介護に必要なお金は増える一方で現状では介護保険料が減少し資金不足となるため将来的には介護保険料の引き上げや対象年齢の拡大が予測される。また、人材不足の懸念もある。近年では外国人実習生を受け入れることで人材を確保する動きがあるのもこのためだ。
他にもより長いスパンで考えると国内の高齢者は頭打ちになってしまうため海外への事業展開も視野に入れなければならない。
このように介護ビジネスの将来は必ずしも安泰なものではないが、しっかりと将来像を把握しておくことでピンチをチャンスに変えることもできる。介護ビジネスで起業を検討している人はぜひ頭に入れておいてもらいたい。